一緒に寝るというので、とりあえず布団を二つ敷いてもらった。
ゆなねぇはぼくが持ってきたゲームをして、ぼくはゆなねぇが集めているマンガを読んだ。狭い部屋なので、布団の端はかぶっているし、普通に並んだら、ひじとひじがくっつきそうだった。
「ねむいの? なる」
気がつくとぼくは船を漕いでいた。今日はいろいろと慣れないことをした。
「眠ってもいいよ。わたし、ちょっといまセーブできないから」
ゆなねぇがプレイするゲームのBGMを聞きながら、ぼくは薄く目を閉じた。
それにしても異常な眠気だった。ゆなねぇは眠りに落ちるぼくの手からマンガを取りながら、さっきまでぼくが飲んでいたジュースのグラスに、ちらりと視線をはしらせた。
なに、どういうこと?
「ごめんね、なる」
と、ゆなねぇは言った。もうぼくが眠りに落ちてしまったと思っているようだった。
「きょうは、儀式の日なんだ」
ちょっと切ない夢をみた。
ゆなねぇが溺れてしまって、ぼくはお葬式にやってきていた。
ゆなねぇは白い棺の中で指を組んでいて、体や顔のまわりをを大きな百合の花が覆っていた。
むせかえるような百合の匂いでぼくは、少し気分が悪くなった。
ゆなねぇがひとりぼっちで冷たい水に沈んでいったことを思うと、たまらなく悲しくなって、ぽろぽろと涙をがあふれてきた。
眠っているようなゆなねぇの頬に触れると、ゆなねぇはもう冷たくなっていて、笑って欲しいと必死に願ったけれど、頭のどこかで魔法使いでもそんな奇跡は起こすことはできないと言い聞かせる声がした。
これは、罰だ。
見て見ぬふりをした罰だ。ゆなねぇが助けを求めていたのに、年に何度かだけ、いい顔をして、いいことをしたつもりになっていた罰だ。
おまえのせいだと参列者たちが言って、ぼくは、ごめんなさい、大きな声を上げて泣いた。
続く